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【Hello! World in カンボジア(最終回)〜キリングフィールド&まとめ編〜】

2019年09月18日

「世界中に友達を作ろう!」を合言葉に始まった「Hello! World」。

今回は、世界への第一歩としてカンボジアに小学生4人が出発しました!

7/277/31の期間に、孤児院の子どもたちと交流したり、農村に泊まって村の小学校を訪問したり、カンボジアの負の遺産である「キリングフィールド」を訪れたりと日本ではできない様々な体験をしてきた子どもたち。今回は、その4日目の様子と帰国後のワークの様子をお伝えする最終レポートです!

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Hello! World in カンボジア」4日目、プレイクラン村で一夜を過ごした子どもたち。鳥や犬、牛などの動物の鳴き声で目を覚ますと、時刻はまだ5時ほど。子どもたちは前日に思いっきり遊んで疲れていると思ったら、「サッカーしよう!」と言い出し、朝から元気よく身体を動かしていました。すると、いつの間にか辺りが明るくなってきて、登校してきた子どもたちも混ざってみんなでサッカー。

朝から汗を流して、清々しく一日のスタートを切ることができました!

朝から身体を目一杯動かしたところで、次は腹ごしらえ。米麺を魚の出汁で取ったスープと一緒にいただきます。

みんな美味しいとたくさん食べていて、カンボジアでの生活にもすっかり慣れた様子でした。

12日と短い間だったけれど、プノンペンとは違う大自然の中で「今あるもの」に目を向けながら過ごした時間が、子どもたちのこれからの人生をカラフルに彩っていってくれたら嬉しいです。

一夜を過ごしたお礼を校長先生とご家族に伝え、帰路のバスに乗り込もうとすると、登校している子どもたちが集まってきました。

「またね!」と言うと、満面の笑顔で「バイバイ」と手を振って答えてくれる子どもたち。

「ここには、いつでも帰って来ていいんだ」という安心感と、世界中に友達がいることの心強さをこの時感じました。

次、いつ会えるかはわからないけれど、わたしたちは愛で繋がっている。お互いの「ありのまま」を信じて、ミライへの一歩を共に踏み出す。そこに愛がある限り、わたしたちのミライは明るく、ワクワクで溢れている。

たくさんの愛に溢れたプレイクラン村で過ごして、そう感じました。

子どもたちにも今回感じたことを忘れずに、仲間を信じて、そして自分を信じて、前へと進んでいってほしいなと思います。

プノンペンに向かうバスに乗り込み、いざ向かうは「キリングフィールド」。

キリングフィールドとは、1970年代、ポル・ポト率いるクメール・ルージュによる市民の大量虐殺の現場となった場所です。子どもたちは日本で事前にカンボジアの負の歴史を学び、過去に起こった事実として向き合い、今回の訪問を迎えました。

現在は一般公開され、一見のどかな公園のような雰囲気も感じられるキリングフィールド。

一人一台音声ガイドを借り、日本語の案内を聞きながら敷地内を周ります。

毎日何人もの人が連れて来られ、1日に約300人が処刑されたこと。

処刑された人は、敷地内の至るところに埋められ、その数はおよそ2万人に上ること。

現在も残っているでこぼことした地面が、その事実をわたしたちに真っ直ぐと突きつけます。

そして、大人たちだけではなく、子どもや赤ちゃんも処刑された事実を伝えるのは「キリングツリー」。

たくさんの人から手向けられた色とりどりのミサンガの隙間から見える窪みから、この木が過去どのように使われていたのか想像することができます。

最後に訪れたのは、中央にそびえ立つ慰霊塔。中には処刑されたたくさんの人々の骸骨が納められています。

怖がることなく、真っ直ぐと目の前を見つめていた子どもたち。

初めて見る光景に、子どもたちは何を感じ取ったのでしょうか。

子どもたちは、みんな音声ガイドを最後まで聞き終えました。

ほんの40数年前に、今自分たちが立っているこの場所で起こった出来事は、あまりにも残虐で、想像をはるかに超えるものだったはずです。そんなカンボジアの負の歴史を肌で感じた子どもたち。しかし、子どもたちは悲しさに打ちひしがれるのではなく、それをしっかりと自分の心に受け止めていました。「悲しみ」で終わるのではなく、そこから何かを感じとっていた様子。

キリングフィールドに広がる光景を見つめる子どもたちの表情は穏やかながらも真剣で、その真っ直ぐな瞳の先には明るいミライが映し出されているような気がしました。

キリングフィールドの訪問を通して、悲しい過去を繰り返さないために今必要なことは何か、わたしたちはどんなミライをつくっていきたいのか、自分に問いかけ行動していくことが、過去の人々の願いでもあり、ミライの人の笑顔をつくっていくことでもあると感じました。

くっくま孤児院やプレイクラン村で出会った人々との交流を通して、たくさんの愛情を感じてきた子どもたち。

そんな愛のやさしさと強さを感じ取った子どもたちがつくるミライは、きっととても温かいはず。

世界はたくさんの愛でできている、自然が包み込む愛情、人々から溢れ出る愛情、そのそれぞれが誰かを笑顔にし、誰かの笑顔が、また誰かを笑顔にしている。そんな笑顔の循環がつくりだす世界は、きっとカラフルでやさしく、誰しもが笑顔になってしまうとても楽しい世界だと、わたしたちは信じています。

キリングフィールドを見学した後は、ホテルの近くの市場でお昼ご飯を食べました。

そして、その後はそこでお土産調達タイム。カンボジアの滞在中にもうお手のものとなった交渉術を駆使して、アクセサリーや服、ラーメンに使うスパイスなどそれぞれのお買い物を楽しんでいる様子でした。

その後は、イオンモールに移動し、カンボジアの発展を肌で感じると同時に、カンボジアの魅力を世界に向けて発信することをミッションに掲げている、日本人が経営するお土産屋さんに行きました。

この国にあるヒト・モノ・コト全てが調和し、「カンボジア」という唯一無二の存在がある。

過去の歴史に学びながら、今あるものに目を向けて感謝をし、ミライをそうぞうする。そのような人々の想いや行動が結晶となり、カンボジアという国は創られていくのだなと、これまで見てきた様々なカンボジアの姿を見て感じました。

そして、日本から遥々カンボジアに訪れた子どもたちが、この旅を通して感じた愛情や喜び、悲しみを胸に、ここで出逢った仲間たちと共にどんなミライをつくていくのか、とても楽しみです。

日本へと向かう飛行機に乗り込んだのは22時過ぎ。

穏やかな眠りについた子どもたち。どんな夢を見ているんだろう。

それはきっと、たくさんの笑顔で溢れているはず。

あっという間に過ぎ去ったカンボジアでの4日間。

出発前と比べて、子どもたちの表情はどこか自信に満ち溢れたように見え、ミライへと進む力強さを感じました。

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後日、一緒に冒険に出かけた仲間がまた一同に集まり、アフターワークを行いました。

4日間一緒に過ごした仲間との再会はやっぱり嬉しくて、旅の思い出話に花を咲かせながら、スクラップブックを作り、カンボジアでの体験を振り返ります。

楽しかったことやびっくりしたことなど、印象に残ったことを文章にしながら、写真などを貼り付けて、マステやシールで装飾。

それぞれの個性が光る、カンボジアの思い出が詰まったとっておきの一冊ができました!

このスクラップブックを見返す度に、あの日のドキドキ感とワクワク感、あの頃の毎日が刺激的で冒険だった日々、あの街の熱気と独特な匂い、あの子の弾ける笑顔、あの時の想像を超越した光景、あの時、あの瞬間、あの場所で、仲間と過ごした特別な4日間を、昨日のことのように想い起こしてくれたら嬉しいです。

Hello! World in カンボジア」は、これにて全ての日程が終了。

しかし、冒険はまだ始まったばかり、世界はまだまだ多様性に溢れていて面白い。

これからどんな「違い」が子どもたちを待ち受けているのか。

世界はどれだけカラフルで、キラキラしているのか。

その一歩を恐れず踏み出せば、きっと世界中に友達ができるはず。

共に、この冒険の続きを楽しもう。

共に、このカラフルな世界に飛び込もう。

共に、いざ

Hello! World

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Hello! World in カンボジア」

子どもたちの冒険の様子を全6回に分けてレポートしています!

Hello! World in カンボジア~準備編~】
https://kodomo-creators-inc.jp/post-783/

Hello! World in カンボジア①~初めてのカンボジア編~】
https://kodomo-creators-inc.jp/post-807/

Hello! World in カンボジア②~くっくま孤児院編~】
https://kodomo-creators-inc.jp/post-824/

Hello! World in カンボジア③~プレイクラン村編~】
https://kodomo-creators-inc.jp/post-869/

Hello! World in カンボジア(最終回)~キリングフィールド&まとめ編~】
https://kodomo-creators-inc.jp/post-1009/

Hello! World in カンボジア(番外編)~大学生が見た世界~】
https://kodomo-creators-inc.jp/post-1043/

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