「芸術」で冴え渡る感性を。ピカソ編

ピカソ「大切なことは、熱狂的状況をつくり出すことだ。」
子どもたちが学びに熱狂する授業をお届けしたいと思っています。早速ですが、未来に無限の可能性をもっている子どもたちと一緒に、芸術の天才ピカソについて授業していきましょう。
ピカソの絵を真似る時間
じゃん! 「子どもでも描ける絵」とからかわれるピカソの絵がこちら。
真似して描いてみましょう。
ピカソの絵を探求する時間
実際に書いてみましたが、ここから何がわかるでしょうか? 子どもたちと着実に一つずつ確認していってみます。
「目があるみたい。歯も付いてるみたい。髪が長いし女の人かな。椅子に座っている。けれど、嬉しそうではない。悲しい? どうだろ。よくわからない」
立ち止まってしまいました。けれど重要な取っ掛かりにぶつかったので大人が問いかけます。この人はどういう気持ちでここに座っているんだろう、と。
「…ええと、座ってる。見られながら座ってる? 絵を描いている人に見られてるんだ!」
すると、火がつく。
「ピカソが描いてて、ピカソに見られているんだ!」
そして一つの考え方にたどり着きます。
「緊張してるのかも」
こうなると、こどもたちの考察は止まりません。
まるで推理ゲームが始まったように、一人一人が名探偵になっていきます。
一つの推理を紹介します。
「ピカソって宮廷画家になる予定だったんだ。もしかしたら近くに王様がいるのかも。そしたらすごい緊張すると思う」
正解かどうかはわかりませんけれど、このあと時代背景と世界情勢を考える好奇心に火が付くきっかけとなりました。
そうして授業は着実に熱狂していきます。
資料を調べ、ピカソに恋人がいたことを知ります。
さらに調べると、先ほどの絵はひとりの恋人が描かれてることを知ります。
女性の絵はピカソの恋人だったかもしれないのです。そしてピカソが恋人を描いていたのかもしれないということでした。
「好きな人に見られたら、嬉しいけど緊張すると思う」
楽しいだとか悲しいだとか、一言では表せない感情を知ります。大切な気付きです。
そういう人間らしい複雑な感情の汲み取りを、子どもたちが描いてくれた作品の数だけ繰り返していきます。
ゲルニカの時間
こうして短時間で心の成長を遂げてくれた子どもたちなら「ゲルニカ」を感じ取ってくれます。これは戦争の物語。それも、第二次世界大戦の先駆けとなった戦争を描いた歴史的に重要な作品です。
名探偵になった子どもたちは、「ゲルニカが描かれていたのは1937年」というヒントを見つけます。
ここにきて子どもたちの冴え渡った感性が、「ゲルニカ」という一枚の絵と「1937年」という一つのヒントから重要な事柄を浮かび上がらせていきます。
描かれているのは何者から逃げ出しているかのような絵。どうやら大変な事柄から追い立てられているのだと推理します。
そういえば1945年には第二次世界大戦だと知っている子がいました。すると1937年は世界大戦の前に小さな戦争が起きているのではないのだろうかと。実際にiPadで調べてみます。
「1973年」という唯一のヒントで、スペインで戦争が起きていたことにたどり着きます。
どんどん加速して行きます。1937年にスペインで何か大変なことが起きて、どんな人たちがその時代を過ごしたのか? 彼らは何を思ったのか?。。。きっと悲しいとか寂しいとか一言では表せない感情だと思います。
時代背景と世界情勢の探究学習が、かつての社会とそこで住む人々の人生を汲み取って行きます。
「頭が熱い〜」と考え込んでくれた子どもたちは何か大切な気付きに触れようとしていたようでした。
「ゲルニカ」から顔を上げて、ふと時計を見ると、
もうお昼の時間も過ぎてしまっている。集中しているあっという間ですね。
午後、ピカソになりきる時間
そうして午後の授業も終わりまであっという間でした。
最後にピカソになりきって描いてくれた絵を紹介します。
それぞれが思いのままに描いた絵を、実際のピカソにお見せできたらと思うと心が弾みます。
ピカソが見てくれたらどんな気持ちになってくれるでしょうか? 推理してみましょう。
終業の時間です。
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